動物たちのおはなし
秋の行楽シーズン、みなさんどちらへ出かけられましたか?
もちろん、その1つは到津の森公園ですよね!!
到津の森はこれから紅葉をむかえて綺麗ですよ~
さて、わたくしチンパンジーやキツネザルを担当しているのですが、実際に野生で暮らす姿を見たことがありません。いつもガイドの時に、野生では~というような話をするのですが、それは論文や本、映像から得た知識であって、やはりリアリティというか言葉の重みというか、なにか欠けたような感じがあるのですよ。
というわけで、行ってきました。アフリカに!
京都大学野生動物研究センターが協力している、エコ・ツアーに参加して、中央アフリカの東部にある国、タンザニアへ
タンザニアのなかでも、チンパンジーが生息しているゴンベ国立公園と、キリンやゾウが暮らすセルー動物保護区の2か所を訪ねました
ゴンベは世界で6番目に大きな湖であるタンガニーカ湖に面しています。水は透明度が高く、湖のほとりにいると、海辺にいるような気分です。
ゴンベの基地周辺にはヒヒたちがウロウロ
のんびり毛づくろいをしたり、落ち葉をかきわけてエサをさがしていたり
こんな光景を見ていると、到津のマンドリルたち今頃何してるかな~とか思ってしまいました
さて、まずはチンパンジー観察へ!
1日目はチンパンジーたちがエサを求めて山の上の方へ移動しているとのこと。
現地ガイドの方についてかなりきつい山をほぼ直登で2時間半。富士山に登ったことがある人が「富士山よりきいつい・・・」と漏らすほど登ります
そしてついに!野生のチンパンジーが!
わずか十数メートル先にいます。ここゴンベでは、50年以上前から調査が続けられています。そのため、チンパンジーたちは人がいることに慣れており、驚いて逃げたりはしません。ここではチンパンジーとの距離を10m程度あけるというルールがあります。お互いのその距離を了解し合っているからこそ、こんなに間近で観察できるのですね~。そのほかにも観察時間は1時間など、チンパンジーにストレスを与えず安全に観察するためのルールがいくつかあり、それらが守られています。
ゆっくりと移動していく群れ
「フーホーフーホーフーホーフーホワァー」という大きな声、パントフートが山の谷筋に響いています。ふだん狭い獣舎のなかで聞くものと違って、のびやかで気持ちよく聞こえます。
木に上にいるチンパンジー
葉っぱを食べているように見えますが、葉っぱについている虫を食べているそうです。
乾季の森は木の葉がおち、日本の秋のよう。
チンパンジーをはじめこの森に暮らす動物にとっては、食べ物を探すのがとても大変な時期のようです。
2日目は湖のほとりでチンパンジーを観察することができました。
アリ塚に細い枝をさしこんで、アリ釣りをしているお母さん。
胸にちいさな赤ん坊がいます。
このようにチンパンジーが道具を使用することをジェーン・グドールが世界で初めて発見した地。それが、このゴンベなのです。カメラをかまえながら、それを猛烈に意識してしまい、どきどきしてしまいました
お母さんがどこかにいってしまうと、子どもたちが先ほどお母さんがアリ釣りをしていた場所へ。
ちょうどいい長さや細さの枝をさがしてきてアリ釣りをはじめます。
2頭のうち体のちいさな方は、そんな様子をじっと見ています。
途中で見るのにあきちゃったのかな?ぽりぽり
ほかにも木の上で小休憩をしたり、地面で寝転がったりと様々な姿をみせてくれました
その2につづく。