動物たちのおはなし
1月23日に、ニホンザルのシンノスケが亡くなりました。
23日の朝、サル山内の寝室で冷たくなって倒れていました。
複数の外傷はあるものの、致命的な傷は見られず、外傷性のショック死ということでした。
この季節、ニホンザルのケンカは多くなるのですが、それによって命まで落とすことはなかったため、
非常にショックを受けました。
シンノスケも、おそらく複数の個体との闘争により、体力を消耗し、力尽きたのでしょう。
前日の夕方のごはんの時も普通にごはんを食べていて、群れの様子も特に変わりなかった
だけに、どうしてやることも出来なかった
という自分の無力感でいっぱいです。
シンノスケは、2003年9月21日生まれ。今年で12歳になる、年男でした。
2009年12月撮影
母親はトモコで、実は、育児放棄されて、人工哺育で育った子でした。
2011年11月撮影(手前がシンノスケ)
私は、群れにいるシンノスケしか知らないのですが、最初の印象は
体格は小柄で、あまり目立たないというかおとなしいというか、ひかえめな感じでした。
2011年12月撮影
やはり、育児放棄されていたからなのか、どことなく孤立感を感じていました。
2011年11月撮影
2011年12月撮影
なので、シンノスケがだれかと一緒にいたり、グルーミングしてもらっていたりすると
ついついうれしくなって写真を撮ったりしたものです(笑)
2013年1月撮影
2013年10月撮影
まあ、その時は、シンノスケが私との距離を遠くとっていたので、あまりいい写真はないのですが。
2014年5月撮影
小さいながらに私的には、男前なサルの方で、成長するにつれてがっしりしてきて
なんかかっこいい奴だな、という感じで、近くに寄ってきてくれるようにも
なっていました。
2015年1月撮影(右がシンノスケ)
順位は5位くらいで、まあ、中の上といったところで。
2015年1月撮影
今年からは、もっともっと前に出るというか目立ってくるんじゃないかと
思っていたのですが。。。
今の季節はニホンザルたちの交尾の時期で、オスはみんなちょっと威張った感じに
なり、ケンカもいつもより多くなるのですが、ここ最近シンノスケが他のコと
大きなケンカをすることもなかったので、今回のことは本当に予期せぬものでした。
もしかしたら、第一位♂がブーからコウになったことなどが関係するのかもしれませんが
これからも、群れの動向には注意してみていかないといけないなと思いました。
群れで飼うということのむずかしさを改めて思い知らされました。
動物を飼うとは・・・。彼らの幸せとは・・・。
野生では、今回のような闘争の場合、どこかに逃げてしまえば回避できるのでしょう。
もしくは、どこか人目のつかないところで息を引き取るのかもしれません。
でも、それが野生だからと言えるでしょう。
私たちは家畜でもペットでもない動物たちを飼っています。
野生ではなく、飼うからこそ見えてくる、考えなければならないことがあると思います。
答えがあるのかどうかわかりませんし、正しいのかどうかもわかりません。
この仕事をしていく以上、そのことからは逃れられないと、シンノスケに教えられました。
なかなか、ニホンザル1頭1頭を見分けることは難しいとは思いますが、これからも
ニホンザルたちのことをよろしくお願いします。
これまでシンノスケをかわいがってくださったみなさま、応援してくださったみなさま
本当にありがとうございました。