動物たちのおはなし
チャップマンシマウマのピースがお婿に行きました。
ピースは2009年4月生まれ、もうすぐ2歳のおとこのこ。いつまでもお母さんのハッピーにべったりで、びっくりするとすぐにお母さんのうしろにかくれるような甘えん坊でした。
が、昨年11月に弟のアースが生まれたことで、彼の立場は激変!!
お父さんのチャップから、早く群を出ていけ!と追い回され、ハッピーにはかばってもらえず、いっしょに運動場に出ることができなくなりました。
でも、しかたないのです。
野生なら、ピースはそろそろ両親のいる群を出ていくお年頃。ゆくゆくは自分の群を持って子孫を残さなくてはいけません。ちょうど親離れの時期にきていたんですね。
動物園の動物たちは、多くの場合、このタイミングで他の動物園にお嫁に行ったりお婿に行ったりします。
さてさて、これはピースの婚活を急がなくてはいけません!
全国の動物園に連絡してみたところ、ちょうど若いお婿さんを募集中の園が見つかり、ピースは、みさき公園という大阪の動物園にお婿に行くことに決まりました。
そこで、まずはピースに10日かけて輸送用の箱に慣れてもらいました。
箱の中のぴーすをのぞいてみました。意外とおちついています。
そして無事に箱に入ったピースは、3月1日、トラックに乗って大阪へと旅立っていきました。
「無事に到着しましたよ」と連絡を受けて、私たち送り出す側の飼育員は一安心。
しかし、ピースの試練はまだ終わっていません!
新しい群にうまく仲間入りする、という最大の難関が残っています。
気の弱いピースのことです。大丈夫でしょうか・・・心配です。
というわけで。
みさき公園に、ピースの様子を見に行ってきました!(ちょっと過保護かも・・・)
さて、ピースはどうしているでしょうか・・・?
検疫を終えたピースは、ちょうど前日からメスたちの群に合流していました。
しつこくメスに近づきすぎて、たまに蹴られたりもしていましたが、なかなか仲良くしているではありませんか。匂いを嗅いで、いっちょうまえにフレーメンなんかもしています。(フレーメンとは唇を引き上げてフェロモンのチェックをする行動です。)
みさき公園にて。先頭がピース、後の2頭がメスのフォルクスとサクラです。
みさき公園の園内には「ピース来園」の手作りポスターが貼ってあり、あたたかく歓迎してもらっているようで、うれしくなりました。
大阪で幸せになってね、ピース。